<柿盆栽,老鴉柿盆栽の特徴>
柿,ローヤ柿,老鴉柿
(英名:Japanese persimmon,chinese persimmon,kaki)
個体変異が大きな樹なので同じロウヤガキといっても、実の形や色は丸いのから細長くとがったもの、赤に近い橙色から黄色までいろいろです。
雌雄異株なので開花時は雄木の花と交配させることが必要です。
虫が飛来しないときは人工授粉をします。
実が一個ずつ色づくので、一本の木に多彩な実が付くことになります。
なお、小さな柿では日本原産の豆柿(まめがき)もありますが、ロウヤガキより葉や実が大きく、盆栽ではあまり実つきがよくありません。
<柿盆栽,老鴉柿盆栽 管理>
【水やり】
表土が乾いたらたっぷり水やりをします。
いちばん注意したいのは夏の水切れ。落果の原因にもなります。
また、梅雨時期は雨が続くようなら根腐れしないよう、軒下などに移します。
冬の乾燥が続くときは、用土だけでなく、木全体にかけるようにして空中湿度を高めます。
【肥料】
植え替えの元肥のあと、四月から玉肥を施します。
夏は薄い液肥を水やり代わりに与えます。
玉肥は結実をして小指大になったのを確認してから、つまり九月に入ってから月一回、春よりもやや多めの量を目安に施します。
元肥にはリン酸、カリ分の入ったものを使うか、骨粉を入れます。
多肥には強い方ですが、根が肥料負けしないよう、様子を見ながら施す事が大切です。
【植え替え】
毎年か1年おきを目安に、春の彼岸ごろ基本用土で植え替えます。
ここで植え付け角度を変えたりして、切り戻す事もできます。
【病害虫】
カイガラムシやカメムシ類が発生します。冬に冬期用の殺虫・殺菌剤を散布して防除するか、葉が出揃った六月の曇った日に殺虫剤を散布します。
<柿盆栽,老鴉柿盆栽 手入れのコツ>
【交配】
開花期の同じ雄木と雌木を用意し、近くにおいておきます。
開花前に殺虫剤をまいてしまうと、受粉虫が寄ってこないような場合や確実に受粉させたいときは、雄花の花弁を取っておしべを出し、雌花にくっつけていきます。
結実を確認してからは、水やりと施肥を怠らないようにして落果を防ぎます。
なお、交配が行われないと、実は落ちます。
【摘果】
実付きが多すぎると、盆栽のような限られた養分で育つ樹には負担が大きすぎるので、自然落果が起こります。
7~8月には自然落果も収まりますが、まだ多いときはたくさんの貧弱な実をつけさせるより、充実した数個を残すため、摘果をします。
また、年が明けて正月飾りを楽しんだら、できるだけ早く実を取って樹を休眠状態にします。
【剪定】
充実した新枝の葉腋に開花します。
落葉後から樹姿を整える剪定を行い、新緑の前までに終わらせます。
流れに沿わない枝、曲のない枝などを切り詰めるのもこの時期なら大胆に行えます。
なお、室内で長く鑑賞していると、乾燥や光線不足で落葉が速くなってしまいます。
葉が早く落ちてしまうとそれだけ養分が作られない事になるので、屋外で管理してできるだけ葉を長く付けさせておきます。
結実がわかったところで、実の付かない徒長枝ははっきりしますから切り詰めていきます。
【針金かけ】
6~7月、新枝は垂直に伸びるので針金をかけて曲付けしておきます。
逆枝も針金で矯正すれば、少ない枝も大切に生かせます。
枝が硬くなると針金がきかなくなるので、10cmくらいに伸びたらどんどんかけていきます。
針金をかけたら伸ばしっぱなしにして、枝の元のほうを太らせます。
【繁殖】
挿し木、根伏せ、実生ができます。枝がしゅっと伸びやすいので、曲の在る素材作りをしたいなら、植え替え時の根を切って根伏せにするのが簡単です。
翌春には芽吹くので、値上がりにしてもいいでしょう。
果実は食べられませんが、果肉を取って種子をよく洗い、ビニール袋などに密封して冷蔵庫に保存します。
翌春、暖かくなってきたらまきます。