<皐月盆栽の特徴>
皐月,さつき
(英名:dwarf azalea,satsuki)
花物盆栽の代表とも称される豊富な品種は2000を超えるといわれ、それらがあらゆる樹形に作られています。
明治初期以前の古花、大正初期までの旧花、昭和12年ぐらいまでの中新花、昭和36年ぐらいまでの新花、それ以降の最新花と、つくられた年代によって呼び分けています。
小さくしたいときは旧花の晃山系統がよいでしょう。
一樹種がこれほど長く人気を保っているのは、芽吹きがよく細かな枝が出ること、幹太りが早く風格が出やすいなどの理由があります。
<皐月盆栽 管理>
【水遣り】
水を好むので、表土が乾いたらたっぷり与え、水切れさせないようにします。花にはかけません。
【肥料】
四月と開花後十月までは月一回、玉肥を施します。
【植え替え】
三月か花後に鹿沼土を使って植え替えます。
下のほうに大粒、上のほうは小粒にするのは同じです。
違う土に植え替えられていた場合は、しっかり水で根洗いをしないと根腐れの原因になったりします。
根元付近の細い根は大切にし、長い根を切り詰めます。
【越冬】
冬に先端付近の葉が落ちるのは普通です。
霜に当てないように管理しましょう。
【病害虫】
葉裏にグンバイムシがつきます。
黒いフンが見つかったら薬剤を葉裏からも散布します。
<皐月盆栽 手入れのコツ>
【花がら摘み】
見栄えをよくするだけでなく、木を疲れさせないためにも、こまめに行います。
【剪定】
7~8月には新枝の先端付近に花芽分化してくるので花後すぐに、遅くとも六月中には剪定して樹姿を整えておく必要があります。
枝は左右に伸びる枝を残し、上下に出る枝を落とします。
残した枝は2葉、2芽を基本に残して切り詰めます。
【改作】
枝を伸ばして幹を太らせ、春にスパッおtいたん幹や枝を切り落として植え替え、胴吹き芽を育てます。
胴吹き芽は針金をかけて伏せこみ、枝元が充実してから短く切り詰めます、
【葉刈り】
花後の剪定後、葉刈りをしても可。
【針金かけ】
植え替え後、活着したら早めに新枝などに針金をかけます。
花後、秋も適期ですが、太枝が折れやすいので気をつけます。
また、生長が早く食いこみやすいので、若木のうちは様子を見てはずしてはかける、を繰り返します。
【繁殖】
新枝のついた前年枝を5~6cmに切り、鹿沼土に挿すと良く活着します。
梅雨挿しもできますが、その時期は取り木もできるので、すぐに花を楽しみたいときは枝分かれの多い部分を選んで取り木にします。
どちらも花芸の良い(花の色形の良い)枝を用いるのがコツです。新品種を作りたいときには実生にします。
サツキは交配がたやすく、枝代わりもできやすいので、新品種がつくりやすい樹種なのです。
<皐月盆栽 月毎の手入れ>
【一月】
寒風から保護します。二月は剪定・整姿の適期ですが、作業後は保護を。
【二月】
二月中旬頃から植え替え可能(要保護)。二月下旬に殺虫剤と殺菌剤の混合液を散布します。
【三月】
葉ダニ防止のため、葉水と定期消毒を励行します。
【四月】
開花中は水切れに注意。ただし花に水がかからないようにすること。花後は速やかに花ガラを取る。
【五月】
水切れに注意して管理し、開花期は肥料を取り除いてください。花後のお礼肥・剪定で樹形の輪郭を整えましょう。
【六月】
花が終われば花後の剪定を行いましょう。灌水時にはたっぷりと葉水も与えてください。
【七月】
翌年の花芽ができる。これ以降は剪定を控えましょう。定期消毒と葉水でハダニ対策を。
【八月】
陽光下でたっぷりと水を与えて管理します。ただし、葉やけ防止のため午後からの直射日光・西日は避けられる環境下で管理しましょう。
【九月】
定期消毒励行。10~15日間隔で鉢廻しし、来年の花つきに備えましょう。軽めの剪定も可能です。
【十月】
11月までは肥培に努め、花つきを良くするため、陽光に良く当てて管理しましょう。
【十一月】
冬場も屋外で管理は可能ですが、秋に強度の剪定を行った樹は霜に当てないよう早めに保護を。保護前には幹洗い、冬期消毒を必ず行いましょう。
【十二月】
幹洗い・冬期消毒を行い、保護する樹は2~3回霜に当ててから保護します。