<梅盆栽の特徴>
梅,野梅,ウメ
(英名:Japanese apricot,ume)
早春から咲く花は清楚で、芳香を漂わせ気品があります。
樹勢が強く、幹肌に風格があり、花つきが良いので古くから盆栽として親しまれています。
品種改良が進み、300種とも500種とも呼ばれています。
園芸の分類では野梅系、緋梅系というように系統別にされていますが、盆栽にされるのは原種に近い強健な野梅系がほとんどです。なかでも野梅系の「寒紅梅」「思いのまま」「甲州野梅」「米良」などが良く作られます。
ほかに枝の髄が紅色の紅梅系緋梅性も人気があります。
<梅盆栽 管理>
【水遣り】
鉢土が乾いたらたっぷりやります。
【肥料】
真夏を除き四月から十月まで、月一回の玉肥と、月に数回、薄めた液肥を水やり代わりに施します。
肥料が足りないと枝が細くなって落葉が早まり、栄養不足から花芽がつかないことがあります。
【植え替え】
最低でも2年に1回、できれば木が小さいうちは毎年植え替えます。
時期は九月中旬頃~十月中旬がよく、逃してしまったら2月下旬から花が終わるまでの間にします。
植え替えの用土は基本用土(赤玉土8:砂2)に1割程度の腐葉土を混ぜます。
【病害虫】
4月のアブラムシと、5~6月の黒星病に注意。
【冬越し】
寒さには強く、関東以西は屋外で冬越しできます。
土が凍るような場合は室内に取り込むか、寒冷紗で覆います。
<梅盆栽 手入れのコツ>
【芽摘み】
春、新芽が6~7枚開いたら、1枝に葉が4~5枚になるよう、先端の芽を指先で摘み取ります。こうすると短い枝に花をつけさせることがあります。
【葉刈り】
花の咲いた部分には葉芽がつきにくくなるので、全体に花がつきすぎるようなら六月の初めに、枝元に近い葉を葉柄だけ残して葉刈りをしておきます。
【剪定】
花後の剪定が重要。葉芽を1~2つ残して切ります。
残すのは枝元に近いほうで、芽のすぐ上を切ります。
【折りだめ】
ウメは枝を長く伸ばすと花芽がつかなくなってしまうので、伸びすぎた枝は6月に途中で折って折りだめをつくります。
こうすると枝元の方に花がつきます。
【針金かけ】
新枝がやわらかいうちにかけ、落葉する前にはずして形をつくります。
翌年、この枝(前年枝)に花がつきます。
【繁殖】
2月に接ぎ木をするか、梅雨挿しでふやせます。
実生は同じ品種になるとは限りません。台木づくりと考えましょう。
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<梅盆栽 月毎の手入れ>
【一月】
軒下や棚下など、寒風から避けて開花を待ちます。花後は花ガラ摘みを忘れずに。
【二月】
開花のためには寒さに当て、開花中は水切れに注意。三月に入ると植え替え可能です。
【三月】
花後は葉芽を確かめて1~2節で剪定します。芽摘みをして節間の間伸びを防ぎましょう。
【四月】
新芽が伸び出して5~6節ほどの長さになった段階で芽摘み。翌年の花を楽しみたい場合は3~4節残しておく。
【五月】
五月上旬までが芽摘みの適期です。芽押さえ・葉刈りなどは早めに行い、薬剤の定期散布も欠かさない事が肝要です。
【六月】
花芽分化の時期。翌春に花の観賞を望む場合は施肥を控えめにしましょう。定期消毒も忘れずに。
【七月】
養成段階の木は剪定・葉刈りで枝づくりを進めます。ただし翌春、花姿を望む場合は六月以降の剪定は控えてください。
【八月】
樹作り優先なら剪定・葉刈りが可能です。花芽をかき取り、代わりに吹く葉芽で枝作りを進めることも。花を観る場合は枝をさわりません。
【九月】
冬期保護を前提に、十月に入れば養成木に限り1~2節残しでの切込みが可能です。
【十月】
枝作りに徹する場合、剪定で二又に枝分かれを整えます。花姿を鑑賞予定の樹は、輪郭を整える程度に剪定します。
【十一月】
休眠期はジン・シャリ彫刻の適期。梅は木質部が堅いため、電動工具があると重宝します。 花を見る樹への剪定は枝先を整える程度に。
【十二月】
軒下や棚下など、寒風から避ける程度の保護をします。