桜盆栽、一才桜の育て方、月毎の手入れ、特徴など

<桜盆栽の特徴>

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(英名:cherry,cherry blossom)

桜といえば染井吉野(ソメイソシノ)が有名ですが、サクラはもともと剪定すると切り口から枯れこむため、刈り込んで小さくつくる盆栽が難しい樹種です。

盆栽にされるのは比較的剪定に強い富士桜(フジザクラ、マメザクラ)やヒカンザクラ(緋寒桜)くらいです。これらは剪定後の萌芽力も強く、花や葉が小さいので盆栽にぴったりです。また、一般的に一才桜という名称で販売されているサクラは旭山桜という種類です。サクラの魅力は花と幹の味わいなので、気長に持ち込んで古肌をつくります。

 <桜盆栽 管理>

【水遣り】

根張りが旺盛で葉も大きく、水を好む方なので水切れに気をつけます。ただし、花が付かない原因にもなるので、やり過ぎないようにします。

【肥料】

真夏を除く4~10月に月一回、玉肥を施します。

【植え替え】

毎年、9~10月に基本用土で植え替えをします。

根がよく張るのでできれば毎年でも行います。

3月も行えますが、遅霜を避けます。長い根を切り詰めて細根を出させますが、あまり太い根は一度に切ると切り口が傷みやすいので、2年かけて切り落としていきます。

【病害虫】

新芽を好むアブラムシが発生します。植え替えには新しい用土を使って根頭がん腫病などを移さないように気をつけます。

<桜盆栽 手入れのコツ>

【剪定】

花芽がつくのは日当たりのよい充実した短枝なので、花後に長い枝を切り詰めておきます。7~8月には花芽がつくられ、10月にはよくわかるようになるので、花芽を落とさないようにすれば、不要枝を切る事ができます。ただし、葉芽も大きくなってくると花芽と区別が付かなくなってくるので、できれば花芽が出来る前に樹姿を想定した剪定を行ってください。

ハサミはほかの木を切った後なら消毒し、太い枝を切ったときは癒合剤を塗っておきます。とにかく菌が切り口から入り込まないようにすることが大切です。

 【針金かけ】

6月頃に単調な枝に針金をかけ、曲をつけます。傷つけないようにしましょう。

【繁殖】

新梢を3節くらいで切って、梅雨挿しができます。葉が大きいので、蒸散を抑えるため1~2枚にして半分に切ります。接ぎ木も可能ですが、ナイフなどはしっかり消毒して作業します。

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<桜盆栽 月毎の手入れ>

【一月】

寒さに強いので、風や下が当たらない軒下程度の保護で充分です。非常に病害虫が多いのでこの時期の消毒は欠かせません。

【二月】

耐寒性があるので、基本的に軒下程度の保護で大丈夫です。この時期は枝先を整える程度の剪定が可能です。

【三月】

剪定を行い保護する樹であっても軒下程度で大丈夫です。3月中旬頃から植替えが可能です。

【四月】

3月中旬頃から4月上旬が植え替えの適期です。また、3月下旬から10月頃までは
定期消毒も欠かさず行いましょう。

【五月】

植え替え適期は4月上旬頃までです。花後はすぐに葉が開いてしまうので、早めに花ガラを摘み取るようにしましょう。

【六月】

新梢が伸び止まる5月下旬頃から先芽を摘み、針金で曲付けしつつ伏せこみます。この時期はお礼肥を与えておきましょう。

【七月】

新梢が伸び止まるこの時期からが、芽摘みや針金かけの適期です。針金の食い込みには気をつけましょう。また、水を大変好むので、水切れには注意しましょう。

【八月】

7月上旬頃まで剪定が可能ですが、花芽分化の時期なので花芽を切り落とさないように注意しましょう。遮光下で管理し、水切れには要注意です。

【九月】

引き続き遮光下で管理します。一度水切れさせると根腐れや枝枯れを生じるため、腰水灌水などしながらこまめな水やりを心がけましょう。

【十月】

水管理・病害虫対策の徹底を。9月中旬以降からは植え替えも可能です。 

【十一月】

10月中旬頃まで植替えが可能です。水を好む樹種ですから、水はけの良い用土を選んで植え替えましょう。定期消毒も欠かさずに。 

【十二月】

寒さには比較的強いため、樹勢に問題がなければ棚上でも越冬可能です。冬季消毒励行。 

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