長寿梅

長寿梅盆栽の育て方、管理、手入れ

<長寿梅盆栽の特徴>

長寿梅盆栽-Japanese-quince-bonsai-tree-006.JPG長寿梅,チョウジュバイ
(英名:Japanese quince) 

盆栽で人気のボケは、品種別に独立して呼ばれることが多く、このチョウジュバイもクサボケの一種として、定番ともいうほどポピュラーな盆栽です。

ボケより幹太りは遅いものの、細かい枝が多く出るのでつくりやすい木です。

四季咲き性が強く、赤花が普通ですが、葉がやや大きく枝打ちの粗い白花種や2号性種もあります。

 <長寿梅盆栽 管理>

 【水遣り】

水切れに弱いので乾燥期には特に気をつけます。

【肥料】

真夏を除く4~10月に月一回、玉肥を施します。

【植え替え】

九月に基本用土で植え替えます。

【病害虫】

根頭がん腫病になりやすいので、剪定の際のハサミは必ず消毒したものを使い、大きな切り口には癒合剤を塗って菌の侵入を防ぎます。

植え替えの際には根を良く観察してコブができていないか確認し、コブが見つかったら切り離して殺菌剤でよく消毒します。

<長寿梅盆栽 手入れのコツ>

【剪定】

長く伸びた枝には花芽がつかず、短い新枝の付け根付近に花が咲きます。

枝ができているときは3~4cm新枝が伸びたところで先端を摘みます。枝ができていないときは六月ごろまで新枝を伸ばし、2~3芽残して切り詰めます。

こうして伸ばすと切るを繰り返し、全体に不等辺三角形をつくるのが基本の剪定です。

【花がら摘み】

花が咲き終わってそのままにしておくと、結実して木に大きな負担がかかります。

花は開花が終わった先から、花がらごと摘みとっていきます。

【根上がり】

植え替え時に根が面白い形だったら、そのまま表土上に出しておきます。

やがてその根がしっかりしてきたころ、石付きにしてみましょう。

石は凸凹の変化に富む揖斐川龍岩石が向いています。

【針金かけ】

針金が効きにくい樹なので、ハサミによる剪定で整えるようにします。

【繁殖】

新芽が伸び出す前の春、六月の入梅期、9~10月に挿し木をし、2~3年仕立て鉢で育ててから植替えをします。 

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 <長寿梅盆栽 月毎の手入れ>

【一月】

花時は水切れに注意。花後は花ガラ摘みを忘れずに。二月中旬から古枝挿しが可能です。

【二月】

二月は古枝挿しの適期。根頭癌腫病の防止のため、植え替えは秋に行うほうが安全。

【三月】

植え替えは秋の方が安全です。芽摘みは四月に入ってから行います。挿し木の適期。

【四月】

四月下旬~五月頃から伸びだした新芽を2節残しで芽摘み。太らせたい場合はそのまま伸ばす。

【五月】

養成段階の樹は5~6月頃に剪定・整姿で樹形の基礎を整えます。不要なヤゴ芽は随時搔き取りましょう。

【六月】

輪郭に沿って強く伸び出す芽を摘み取ります。水を好む樹種ですので水切れ厳禁です。

【七月】

七月上旬まで剪定・針金かけが可能です。水を好むので表土が乾けばたっぷりと灌水しましょう。不定芽は早めに処置します。 

【八月】

芽摘み・剪定、養成木であれば葉刈りも可能です。不要なヤゴ芽も見つけ次第処理します。 

【九月】

九月中旬から植え替えが可能。癌腫病に侵された根は完全に取り除き、使用した道具も消毒しましょう。 

【十月】

花着きをよくするため、春肥よりもカリ分の多い肥料を選んで施肥します。 

【十一月】

枝先を軽く整える程度の剪定・整姿が可能。秋に植え替えた樹、古木ほど早めの保護が必要となります。 

【十二月】

軒下など寒風から避ける程度の保護でも充分ですが、古木は保護室で管理しましょう。 

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